「イデコは掛け金が全額所得控除され、所得税・住民税が後で戻ってくる点に最大のメリットがあります。ですから、中高年である程度の収入がある人で、イデコに入れる人はイデコを優先してください。ただし、イデコは60歳までお金を引き出せないので、注意を。そのうえで余裕があれば、ボーナスをプールするなどして、つみたてNISAにもお金を回せばいい」

 ただし、イデコ優先も40歳代までだ。イデコは10年間の積立期間がないと、60歳から年金を受給することができない(積み立て年数によって開始年齢は異なる)。逆に60歳以降は新たに掛け金を投入できない。このため積立期間が10年未満だと、60歳以降、手数料だけを支払う期間が生じてしまう。

「こういう事情があるため、50歳を過ぎてからのイデコ加入はあまり勧められません。50歳以降は、つみたてNISAを優先するのがいいと思います」(馬養さん)

 専業主婦は微妙だ。所得がないためイデコのメリットは受けにくい。60歳まで資金を固定しておいていいのならイデコに軍配が上がりそうだが、馬養さんは個人的意見と断りながらも、こう言う。

「私は専業主婦のイデコ利用に疑問があります。専業主婦は国民年金の第3号被保険者で、国民年金の保険料を払っていないからです。なのに、なぜイデコに入れるのか。制度的におかしいのではないでしょうか」

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