老後資金に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵さんによると、つみたてNISAは中高年の投資初心者が、投資の練習をするのにぴったりだという。

「今までやったことがない人が、いきなり投資を始めるなんてできるはずがありません。定年で退職金をもらって、一度に多額の資金で投信を買うから失敗するんです。自分で商品が選べない初心者でも、つみたてNISAなら大きく間違えることはない。しかし、値動きはしますから、日経平均株価や為替の動きに応じて買った商品の価格がどうなるのか、投資を通じて経済の仕組みをよく勉強してください。わかってきたら、金額を増やしていけばいい」

 同じくFPでNISA制度に詳しい馬養雅子さんも、

「何にもわからない人は、世界の多くの資産に分散投資する『バランスファンド』から始めればいいのです。毎月1万円でOK。やっているうちに投資意欲が出てくれば、日本株や先進国株式の市場平均に連動する『インデックスファンド』を例えば3千円買い増すなど、対象を広げていけばいい」

 馬養さんは「とにかく有利な制度なので始めることが先決」とするが、そのさい、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)とのすみ分けを考えてほしいという。イデコはNISAと同様に非課税などの特典がある。しかも今年から、公務員や主婦ら加入できる人が大幅に拡充された。

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