細野晴臣が示した「カヴァーの神髄」 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

細野晴臣が示した「カヴァーの神髄」

連載「知新音故」

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日
円熟の技を見せる細野晴臣

円熟の技を見せる細野晴臣

細野晴臣『Vu Ja De(ヴジャデ)』

細野晴臣『Vu Ja De(ヴジャデ)』

 4年半ぶりにニュー・アルバム『Vu Ja De』(ヴジャデ)を発表した細野晴臣が、リリース記念のホール・ツアーを実施。その東京公演を見た(11月15日、中野サンプラザ)。

 漫才コンビのナイツ、物まねの清水ミチコと弟のイチロウがゲスト出演。笑いに包まれた幕開けの後に登場した細野は、1曲歌い終えると、「あれがメイン! ここからは気楽な余興なんで~」と、ひとくさり。

 その後は、ずっと活動を共にしている高田漣(ギター他)、伊賀航(ベース)、伊藤大地(ドラムス)を従えての演奏。コシミハル(ピアノ)も加わり、軽快なラテンの「El Negro Zumbon(Anna)」やブギの「Tutti Frutti」で沸かせた。

 懐かしい細野作品やオールディーズのカヴァー曲のあと、亡き遠藤賢司の話題を披露した。かつて遠藤が飼っていたシャム猫の“寝図美”を細野が預かって飼っていたというエピソード。続けて遠藤の「寝図美よこれが太平洋だ」を演奏した。

 当日のハイライトは、ブギ・ピアノの技巧が光る斎藤圭土が加わった「Ain’t Nobody Here But Us Chickens」など一連のブギ・チューンだった。

 今回の『Vu Ja De』は初めての2枚組。ディスク1は“EIGHT BEAT COMBO”と題されたカヴァー集。ディスク2は“ESSAY”と題されたオリジナル曲集。“普遍性のあるカヴァー作品と、今の生身の自分が出るオリジナルは同居できない”という理由で2枚に分けたとか。

 細野は1940年代のカントリー・ミュージックやブギ・ウギに傾倒して以来、積極的にカヴァーに取り組んできた。今回の“EIGHT BEAT COMBO”は、2013年発表の『Heavenly Music』以来のカヴァー集となる。

 収録された8曲はブギ・ナンバーとオールディーズが中心で、いずれも以前からライヴで演奏を重ね、磨きをかけてきた。細野によれば、それは“よく知っている事柄を初めて体験するような感覚”だったという。自分が関心を持ってきた40年代のポピュラーやジャズは耳になじんでいるはずなのに、実際にカヴァーしてみると、まったく知らない世界で創造された音楽のように感じてしまうというのだ。



トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい