小池氏が衆院議員選挙に出馬するかどうか期待感が高まっていた10月1日、若狭氏はNHKの番組に出演し、小池氏の出馬は「次の次」と発言し、批判を浴びた。

「あの発言は小池さんと相談したわけではありません。発言後、小池さんから電話で『ああいう話はしないで』という趣旨の注意がありました。しかし、私は今でも間違っていたとは思っていません。私は小池さんが出馬しないことは最初からわかっていたので、公示日直前に出ないことが確定するのは避けたいと思った。小池さんは逆で、国民の選挙への関心を高めようとも考えたのではないでしょうか」(若狭氏)

 小池氏が一人で9月25日に行った希望の党設立の会見で飛び出した「リセット発言」の真相について若狭氏はこう語った。

「実はその日まで何も知らされていませんでした。小池さんが代表をやろうと決めたのは、前日じゃないかな。世論調査で希望の党が高い支持を示していましたから、私や細野さんの枠組みではなく、リセットして、自分が単独代表になったほうが一層、高い支持を集められると考えたようです」

 しかし、結果は候補者の4分の3が落選するという惨状となった。

「希望の新人はほぼ落っこちた。自前で払った供託金などの選挙費用はどうなるのでしょう。ぞっとしちゃいますよ」(都政関係者)

 都議会の各会派は12月に予定されている都議会での予算要望に力が入る。

「築地移転、五輪会場問題などでは騒いだだけで成果はほとんどありませんでしたが、小池都政が全部、ダメなワケではない。福祉や働き方に関してはよい主張がある。希望の国政での主張を都政に持ち込ませないようにし、よい点は伸ばしてあげたいと思います」(野党の都議)

 都民Fの結党メンバーで、離党した、音喜多駿都議は小池氏をこう語る。

「小池さんは『希望』の両院議員懇談会では、謝罪とか、国政は国会議員の方に任せるとか、この1年間には見たことがないような姿を示しました。都政にもそうした姿勢で取り組んでいただければ、まだまだチャンスはあると思います」

(本誌・上田耕司)

週刊朝日 2017年11月10日号