株式や債券とは異なる代替投資(オルタナティブ投資)の商品として人気の「金」。北朝鮮問題による国際情勢の緊迫もあって値上がり傾向だ。画像は東京商品取引所の価格推移画面
株式や債券とは異なる代替投資(オルタナティブ投資)の商品として人気の「金」。北朝鮮問題による国際情勢の緊迫もあって値上がり傾向だ。画像は東京商品取引所の価格推移画面
朝倉智也・モーニングスター社長のおすすめファンド(週刊朝日 2017年10月6日号より)
朝倉智也・モーニングスター社長のおすすめファンド(週刊朝日 2017年10月6日号より)

 一世を風靡した「毎月分配型」の投資信託。残高ベースでは圧倒的な存在感を誇るものの、金融庁が問題点を指摘するなど最前線では勢いを失いつつある。本当の「リターン」を生む投信はどこにあるのか。投資のやり直し方と「おすすめファンド」を大公開!

【図】朝倉智也・モーニングスター社長のおすすめファンド

 3人の専門家に指南を依頼し、投信投資の勘所や「おすすめファンド」を聞いた。

 まずは投資の基本を再確認しておこう。「仕事としての運用」は長期投資だから、当然、そこにつぎ込むマネーは、当面、使う予定がないお金、余裕資金でなければならない。投信は元本が保証される商品ではないから、相場が下落した場合、実際にいくらまでの損失に耐えられるのか、自分の「リスク許容度」を具体的な金額を思い浮かべて把握する必要もある。

 そのうえで、目標→資金配分→銘柄選択、の順で考えるのだ。「目標」とは、どれぐらいの収益をめざすのか、運用利回りが3%なのか、5%、7%なのかという数値目標である。

「資金配分」は、どの投資対象にどれぐらいの割合で資金を振り向けるのかだ。運用の世界では「アセットアロケーション」と呼ばれ、運用成果はアセットアロケーションの組み方で8割がた決まるとされている。

 そして最後が「銘柄選択」、具体的な商品の選定になる。投信には投資対象の全体的な値動き、日本株なら「TOPIX」や「日経225」などの指数と連動する「インデックス型」と、指数を上回る運用を目指す「アクティブ型」があり、適宜、その二つを組み合わせていくことになる。

 投信評価会社、モーニングスター社長の朝倉智也氏には、3~5%の運用利回りを目指す「スタンダード型」と、5%以上を目指す「積極運用型」の2タイプを考えてもらった。

 投資対象はまず「国内株式」。そのほかに「先進国」と「新興国」の株式と債券、さらに国内外の「リート」の七つに分散させる。日本は日銀のマイナス金利政策で債券の利回りが極めて低いため、「日本債券」は外したという。

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