サザンと違う「桑田佳祐」の矜持 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

サザンと違う「桑田佳祐」の矜持

連載「知新音故」

このエントリーをはてなブックマークに追加
小倉エージ週刊朝日
「MUSICMAN」以来、6年半ぶりにオリジナル・ソロ・アルバムを出した桑田佳祐

「MUSICMAN」以来、6年半ぶりにオリジナル・ソロ・アルバムを出した桑田佳祐

桑田佳祐『がらくた』

桑田佳祐『がらくた』

 桑田佳祐のソロ活動30周年を記念する『がらくた』に脱帽した。極上の最新型大衆歌謡アルバムだ。

 サザンオールスターズの楽曲は、作詞、作曲、ヴォーカルのほとんどを桑田佳祐が担当していても、編曲の名義は「サザンオールスターズ」。あくまでもバンド・サウンドだ。今回のようにソロ名義となると、作品や音楽志向はよりパーソナルになる。

『がらくた』はキーボードの片山敦夫を編曲のパートナーに迎え、ユニット的なスタイルを試みた。初回生産限定盤に添付されたブックレットのエッセー集『がらくたノート』にはこんな一文がある。

「メンバーが大勢いるとコミュニケーションがもう億劫というか……たまにあるわけですよ、ココロが内向きになることが……皆んなと一緒とかって、なんかメンドくせえってなると、アタシはたぶん非常にイヤなヤツになるのが、自分でわかるからね。支えてもらわないと何もできないくせに、おいおい、少しほっといてくれっていうのが、私の一番悪い癖。外ヅラはよいんだけどね」

 ストリングスが起用された作品もあるが、基本的には少人数による構成。作品ごとに音楽性が変化し、様々な要素が混在する多彩な音楽内容だ。その基本は、サザン初期の音楽背景だった洋楽、幼い頃から親しんできた昭和の歌謡曲やポップス。桑田自身の音楽的な足跡、遍歴を物語る。

 幕開けの「過ぎ去りし日々(ゴーイング・ダウン)」。〝さらば「全盛期(あの日)」〟〝栄光のヒストリー〟と、自身を振り返り、最近話題の若手バンドONE OK ROCKへの妬みも織り込みながら、負けじとばかりオヤジパワー全開の豪快なブギ・ロック・ナンバーを展開する。パワフルなヴォーカルも圧倒的だ。

 一転、朝ドラ『ひよっこ』の主題歌「若い広場」は、昭和テイストそのもの。ザ・キングトーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」をヒントに書いた作品だそうで、和製ドゥ・ワップ・コーラスも登場。どこか懐かしく、ほのぼのとした作品だ。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい