ジョージ秋山さんが作品を「描ききった」という判断で終了が決まったという。

 ミュージシャンの遠藤ミチロウさんは、連載1回目からの愛読者。作品の1千回記念の特集にお祝いの言葉を寄せた。連載終了の報に、「ずっとそこにいてくれる存在で、終わると思っていなかった」と驚きを隠せなかったという。

「渋沢先生と浮浪雲はそれぞれ、ジョージ秋山さんの分身のような存在。二人のセリフに、ジョージさんの本音が出ている気がしています。『ああ、いいなぁ』と毎回思うんです。幕末という歴史が大きく動いた時代に、何が起こっても、ムキになったり、慌てたりしない。いいなぁと思っても、浮浪雲のような生き方は、なかなかできない。だから、憧れるんですよね。(自らの作品にも)きっと何らかの影響は受けていると思います」

 編集部によれば、最終回の原稿はまだ完成しておらず、どんなエンディングを迎えるのかはわからない。ミチロウさんは言う。

「大きく盛り上がるのも、おかしいですからね。風に吹かれて、『おねえちゃん、あちきと遊ばない?』と、いつものままに終わっていくのかな、そんな気がします」

 昭和、平成と読み継がれた名物漫画。空に流れ消えゆく白い雲のように、穏やかな結末となるのだろうか。

週刊朝日 2017年9月8日号