応援演説に立った安倍晋三首相
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籠池夫妻が現れ騒然とする現場
籠池夫妻が現れ騒然とする現場
籠池氏と共に現れた諄子夫人(撮影/佐藤鉄兵)
籠池氏と共に現れた諄子夫人(撮影/佐藤鉄兵)
SNSを通じて拡散。ツイッターでも批判の声が次々に書き込まれた
SNSを通じて拡散。ツイッターでも批判の声が次々に書き込まれた

 東京都議選の最終日の7月1日夕、かつては自民党の「聖地」とされた東京都千代田区の秋葉原駅前は異様な雰囲気に包まれた。

【写真】籠池夫妻が現れ騒然とする現場

 自民党候補者の応援演説に立った安倍晋三首相に対し、退陣を求めるグループが大声で「安倍、やめろ!」「帰れ!」とコールを連発し、警察官ともみ合いに。
 ヤジが激化するにつれ、安倍首相も「誹謗(ひぼう)中傷からは、何も生まれない」「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と声を荒げ、ヤジに応酬した。

 現場には森友学園の籠池泰典前理事長夫妻も登場。「(安倍夫妻から)寄付してもらった100万円を返す」と言い出し、大混乱に陥った。

 籠池夫人は群衆にまじり、「安倍やめろ」と大声を張り上げていた。

その後、籠池氏は警察官に連れられて、現場をあとにした。

 この日の応援演説には約2000人(自民党調べ)が日の丸などを掲げて集まったが、そんな支持者を飲み込むように、共謀罪などに反対してきた市民グループらが集まり、「安倍帰れ」の大合唱。

 都連幹部は「反安倍の大声で総裁演説が聞こえないほどだった。これがどう影響するか読めないが、反自民の現れなんでしょう」と肩を落とした。

 自民党にとって、JR秋葉原駅前「ガンダムカフェ」周辺での演説は「総裁が選挙戦最終日に行う聖地」(幹部)と位置づけられている。第2次安倍政権発足後の選挙では最終日に安倍首相や麻生太郎財務相ら主要幹部が集結し、支持を訴えてきた。

 ただ、今回の都議選に限っては「森友・加計疑惑の渦中にいる安倍総裁の街頭演説はかえって逆効果になりかねない」(都連幹部)とされてきた。

 安倍首相が街頭には立たず、6月30日までは支持者だけを集め、小学校の体育館内のいわゆる“ハコもの”内で演説を行い、雑音をシャットアウトしてきた。

 しかし、「逃げている印象を与えるのも印象が悪い」(同)と、首相自身が望み、選挙戦最終日に初めて街頭に姿を現したが、もろに自身への逆風を一身に受けた格好だ。

 現場にいた女性は本誌に興奮気味にこう訴えた。

「すごい盛り上りでした。安倍さんは森友、加計学園の問題でもきちんと答えず、卑怯だと思う」

 また原発事故後、福島から都内へ引っ越した男性はこう話した。

「借り上げ住宅を追い出され、行き場を失った原発被災者が自殺したという話も聞く。何とかしてほしい」

 安倍政権への”審判”はいかに。(本誌・村上新太郎、上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事