一方、周囲が福士さんで観たいと思うような役を演じるのも楽しいという。「これやって」と求められたら、「うん、わかった。何にでもなるよ」と言える自分でいたいのだとか。

「自分の可能性を狭めたくはないです。役者の仕事って、生きることすべてがつながっていくものだと思うんです。仕事も、プライベートでの経験も、今は積み重ねることが大事なんじゃないかと。だから、特に先のことは何も決めてないです」

 貪欲さや競争心とは無縁の彼にも、幼い頃からかなえたかった夢が一つ。

「いつか海外の作品にも出たいです。海外の人たちと関われる職業に就くことが、この仕事を始める前からの夢だったんです」

週刊朝日 2017年6月9日号