放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、芸能人の「健康食品事情」について。

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 石坂浩二、浅丘ルリ子“元夫婦”が31年ぶりに共演しているうえ、石坂の“元カノ”だった加賀まりこも出演。さらには、八千草薫、有馬稲子、野際陽子、五月みどりに風吹ジュンら往年の大女優や人気歌手が石坂を愛称の「兵ちゃん」と連呼する。4月3日からスタートした話題の昼ドラ「やすらぎの郷(さと)」(テレビ朝日系)前室や楽屋の話である。

 F3層(50歳以上の女性)に人気の高い「ワイド!スクランブル」第1部と第2部の間にある「徹子の部屋」に続く新設ドラマ枠は「帯ドラマ劇場(シアター)」と名付けられた。「徹子~」での番宣が功を奏したのか、それとも怖いもの見たさだったのか……。「やすらぎの郷」初回の平均視聴率は8.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と好発進をした。

 そんな初回の提供クレジットで真っ先に出てきたのがサントリーウエルネス。まぁ、なんとターゲットに忠実なスポンサーなのだろうと心底感心してしまった。

 いま、日本女性の2人に1人は50歳以上。それらをF3層と一括りにするのはいかがなものかと、65~79歳をF4層、80~94歳をF5層、95歳以上をF6層と唱えているのは、マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏だ。

 キャストや内容を見る限り、「やすらぎの郷」は、F4層、F5層に刺さっていると思われる。

 果たして、初回1本目のCMは、「セサミンEX」。出てきたのは「永遠の若大将」加山雄三で、追って賀来千香子と西岡徳馬が登場した。

「ゴマの健康食品」として「セサミン」第1号が発売されたのは1993年のこと。青汁やローヤルゼリーがブームの時代に「サントリーが?」「ゴマの研究?」と多くの人が戸惑ったハズだ。

 が、パワーアップした製品が続々誕生するにつれ、売れ行きを伸ばし始め、2008年には愛飲者が100万人超に。同時に芸能人の愛飲者が目立つようになる。

 
 もっとも有名なのは三浦雄一郎。ほかにも阿木燿子、阿川佐和子、吉行和子、モデルの前田典子と、挙げだしたらキリがない。

 ある年代以上の人が集まると、健康維持の話で盛り上がるのは有名人とて同じ。そこからクチコミで広まって、「DHA&EPA+セサミンEX」「オメガエイド」「ロコモア」などを愛飲している有名人も増えているという。

 その多くが年齢不詳な著名人ばかりということで、説得力は増すばかりだ。

 健康食品を始める人が多いのは1月と4月だとか。とにかく「やすらぎの郷」世代とサントリーの健康食品の相性は、すこぶるいいのである。

週刊朝日  2017年4月28日号

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山田美保子

山田美保子

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

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