この春、豊洲に出現する劇場「IHI ステージアラウンド東京」は、客席が360度回転する世界最先端の機構を導入。柿(こけら)落としとして、劇団☆新感線の最高傑作とされる舞台「髑髏城の七人」が、“花・鳥・風・月”の4シーズンに分かれ、1年3カ月にわたってロングラン公演される。青木さんは、その第1弾となる「Season花」に、荒武者隊の頭目・兵庫役で出演する。多くの俳優が出演を熱望する作品だが、青木さんは、オファーがあったときに、「やります」と即答はしなかった。

「そもそも、どんな仕事であっても、即答するタイプではなくて(苦笑)。毎回、どんな作品かとか、どんな座組かとか、ある程度まで理解した上で、やるべきかどうかを考えます。『髑髏城~』も、まずは前作のDVDを見せてもらって、新感線の舞台に出演経験のある人に相談してみたりしたんですけど、小栗(旬)くんと食事をしているときに、『客席が360度回転するステージなんて、すごく挑戦的な作品になるはずだし、柿落としの舞台に立てるチャンスはそうそうないから』と言われて、グッとくるものがあった。稽古は、ステージセットに未知な部分も多いから大変さもありますけど、楽しいです。しんどいこと? なくはないけど、どんな仕事も、しんどさはつきものでしょ?」

 表現者として新鮮であり続ける彼の心と身体は、絶えず躍動していた。

週刊朝日 2017年3月31日号