世界的な乱獲で水産資源の枯渇が叫ばれるなか、これまでは廃棄されてきた魚たちに注目が集まっている。いざ、未知なる魚との遭遇へ。
【写真特集 怖いもの見たさの人もぜひ! 意外と美味しい未利用魚の世界】
未利用魚とは、大きさが不揃い、量が安定しない、知名度が低い、鮮度が落ちやすい、調理が面倒など、さまざまな理由で流通しづらい魚のこと。網にかかっても廃棄されることが多かったが、これを活用する動きが広がっている。市場を介さずに直接漁師から魚を買い付ける店舗も増えてきた。
居酒屋チェーンを展開するAPカンパニーでは、全国から届いた魚が、羽田のセンターを通じ、15時には各店舗に到着する。鮮度の落ちやすい魚もおいしく味わえる。
「羽田市場」は1月末、銀座の高級飲食店からの要望を受けて直売所をオープンさせた。口コミで一般客の利用も増えている。
宅配寿司「京山」の朝山議尊さんは、「知らない魚に合うとワクワクする」性分。14年前、初めて未利用魚を含めた「おまかせセット」を企画した時は従業員に大反対されたが、これが大ヒット。「こんなにおいしい魚があるんだ!」という声がたくさん届き、今も一番人気の商品だという。
ふぞろいの魚たちも限りある資源。未知なる味を楽しみたい。
■宅配寿司 「黒酢の寿司 京山」
東京23区内であれば宅配可能。一番人気の「特上おまかせセット」は50個入り6459円(税込み)で、約4割が未利用魚やマイナー魚。
(受注専用 予約受付時間 9:00~20:30)
■羽田市場 銀座直売店
東京都中央区銀座8‐15‐6 クリスタルスクエア1F/営業時間:9:00~18:00/定休日:無休
*購入には会員登録が必要(発行手数料200円)
■四十八漁場(よんぱちぎょじょう)恵比寿店
東京都渋谷区恵比寿西1‐9‐1 第2ともえビル2F
※週刊朝日 2017年3月24日号