豊洲市場 (c)朝日新聞社
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 小池百合子都知事vs.都議会自民党の“ドン”内田茂都議の「代理戦争」と化した千代田区長選。知事が支援した現職の石川雅己氏が5選を果たしたが、大どんでん返しとなる“疑惑”が浮上した。築地市場移転問題のきっかけを作った当事者は、石川氏だというのだ。

 緑色のマフラーを巻いた小池百合子都知事は2月3日、秋葉原駅前にさっそうと現れ、石川雅己氏とつないだ手を掲げ、こうアピールした。

「今日は節分、あちこちで豆まきが行われました。しかし、この演説者はまくのではなくて、みなさま方から清き一票をいただくためにお願いをしてます」

 小池都知事は、混迷を深める築地市場移転の発端は誰なのか、ご存じないのだろうか。

 石川氏は1963年に都庁に入庁。75年に千代田区役所へ企画課長として出向した。

「この時から、都議会自民党のドン内田に見込まれた」(元都庁幹部)とされる。都庁に戻ってからは港湾局長、福祉局長などを歴任して99年に退職。首都高速道路公団理事を務めた後、2001年に千代田区長選に初当選して以降、今回で5期目を迎える。

 石川氏が築地市場に関わったとされるのは95年6月、港湾局長就任時だ。

 この年4月に行われた都知事選で、臨海副都心地区で開催が予定されていた世界都市博覧会の中止を公約に掲げた青島幸男氏が圧勝。青島氏は公約を守って同年5月31日に都市博の中止を発表した。

 臨海副都心開発の起爆剤とされた都市博の中止により、多くの企業が予定していた開発計画の見直しを余儀なくされ、後に豊洲市場用地を都に売却した東京ガスも例外ではなかった。

 築地市場幹部が語る。

「東京ガスが豊洲に計画していたのは、レインボーブリッジから豊洲に橋をかけるというマンハッタン・ベネチア構想といわれるものでしたが、都市博中止で頓挫。東京ガスは同時に計画されていた豊洲の護岸強化工事などを進めていましたが、都が撤退したことにより、約60億~70億円の工事費を自前で拠出しなければならなくなった。その時に助け舟を出したのが、監督官庁でもある都の港湾局長(当時)、つまり石川千代田区長でした」

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