林:柚希さん、音楽学校の入学試験の面接では、ブリッジをして部屋の端から端まで歩いたんでしょう? 一体どんな体してるんだって思いますけど(笑)。

柚希:私はやりたくなかったんですが、父が「つかみが大事だからやれ」と言うのでやりました(笑)。同期の十輝いりすは「クモみたいな人がものすごい速さでこっちに向かってくる!」と驚いたらしいので、そのインパクトで面接をパスできたのかもしれません(笑)。でも、私が通っていたバレエ教室では、バーレッスンからセンターレッスンに行くときに、全員ブリッジで歩かなきゃいけなかったんですよ。だからみんなできることなんだぐらいに思っていたんです。

林:私なんて、ブリッジどころか前屈すらできませんよ。入学試験の成績はよかったんですか。

柚希:悪くはなかったんですが、歌はぜんぜんダメだったので、ダンスだけは必死でやりました。

林:宝塚音楽学校って、「お金持ちのお嬢様しか入れない」みたいに言われていた時代もありましたけど。

柚希:私もそう思っていて、「友達なんてできないだろうな」と諦めていたんですが、実際に入学したら芸事をやってきた普通の人たちがたくさんいて、宝塚を見る目が変わっていきました。

林:「礼音」という名前は、自分で考えたんですか。

柚希:はい。「レオン」という名前をつけたくて、そこから漢字と名字の「柚希」を考えました。

林:それは海外進出も考えて?

柚希:いえ、ぜんぜん。とにかく代々の方々とかぶらない名前をと思いまして。名前がかぶったらご挨拶しなきゃいけないんですよ。『赤ちゃんの名前事典』とか見ながら探しました。

林:柚希さんは、「REON!!」というコンサートもされてますもんね。

柚希:本当に、使いやすい名前です(笑)。

週刊朝日 2017年1月20日号より抜粋