妻:まさかそんな大病だと思わずに「ずっと左を下に寝てて、しびれただけじゃないの?」なんて。

夫:こっちはまともに立つこともできなかったのに。

妻:悪いことに、その日私、生放送があって……。

夫:そうだ、「笑っていいとも!」だった!

妻:テレフォンショッキングのゲストで出ることになってたんです。だから彼には「自分でタクシー呼んで病院行って」って(笑)。

夫:脳梗塞を起こしてたんです。その少し前から、なんだか具合が悪くて。息苦しいし、ずっと微熱が続いていて。病院にもかかったんだけど、「風邪ですね」。で、近所の脳神経外科へタクシーで行ったんですけど、なんと休診日。でも、どんどん状態が悪くなるから、救急車を呼んで。

妻:え? そうだった?

夫:そうだよ。で、運ばれた病院で脳梗塞だとわかった。でも、ここじゃ無理だからと、大きい病院へ移されることになって。そのとき、搬送に来た救急隊員がすごく優秀だったんです。

妻:「この患者さん、脳よりも心臓が危険な状態じゃないですか?」って。何人もの医者が見過ごしたことを、救急隊員が見抜いた。

夫:それで、循環器科で診てもらったら、心臓弁膜症ですと。心臓の中で血が逆流して、血の塊ができて、それが脳に飛び、血栓になって、脳梗塞を引き起こしていたんです。

妻:でもそこ、国立病院だったんですけど、なんとなく、嫌な感じがしたんですよ。医師の対応だとか、雰囲気だとか。このままここで手術していいのかしら?と。それで、つてというつてを使って、テレビでも有名な心臓の名医を探そうと。

夫:そしたら、意外とあっさり見つかりまして。

妻:ヘアメイクさんのお友達からその先生につながって、治療をお願いすることができたんです。

夫:結局、最初の病院にひと月。その先生の病院へ移って、心臓の大手術をして、リハビリ含めてまたひと月。2カ月ぐらい入院したかな。

※「杉本彩『離婚から再婚までの8年』夫と築いた愛のカタチ」へつづく

週刊朝日  2016年11月18日号より抜粋