「(旧民主党の)菅政権下、外交ルートを通じて蓮舫氏が二重国籍であることを確認し、この事実を首相官邸が隠ぺいした」「(前原氏側は)水面下では岡田執行部に蓮舫候補の名誉ある撤退を働きかけている」

 党内は毎度の内紛状態に変わりないようだ。

 自民党の閣僚経験者は「民進党は全然怖くなく、何をしようとするのかわからない。(蓮舫氏への)アンチも多く、党内の人心掌握はできないだろう。次期衆院選で自民党は議席を減らすだろうが、憲法改正に前向きな日本維新の会が伸び、民進党の議席は増えない。野田佳彦前首相が後見人として十分重し役を果たせない限り、ずばり3カ月で終わるのではないか。そうなれば、12月選挙は絶好のタイミングだ」という。

 自民党内の事情もある。安倍首相一強の構図に変わりないように見えるが、ポスト安倍をにらんだ動きは今後ますます活発になる。新東京都知事に就いた小池百合子氏の動向も、新たな攪乱要因になっている。

 自民党関係者はこう話す。

「執行部内には、来年の都議選で小池新党が第1党になるとの恐怖感がある。都知事選で党の意向に背いた若狭勝衆院議員を東京10区補選の公認候補者とする方針を決めたため、自民党支持者が離れる動きもある」

 ポスト安倍を巡る動きでも、永田町は騒がしくなってきている。

「首相の女房役の菅義偉官房長官は策士で、茂木敏充政調会長と組んで新派を画策すべく、若手に盛んに声をかけている」(官邸関係者)

「二階俊博幹事長と関係のよい古賀誠元幹事長が、ポスト安倍をめざす岸田文雄外相を二階氏に近づけようと動いている。岸田政権が誕生すれば、昨年の総裁選で擁立に失敗した野田聖子元総務会長を官房長官にあてる構想です」(自民党関係者)

 こうした党内のうごめきを牽制するためにも、12月総選挙を探る声が高まっているようだ。

 永田町の長い夏休みが明け、26日に臨時国会が始まる。安倍首相は論戦にどう臨み、どんな思いでクリスマスを迎えるのだろうか。

週刊朝日 2016年9月30日号