(c)カトリーヌあやこ
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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「はじめまして、愛しています。」(テレビ朝日系 木曜21:00~)の“地雷”設定について、本当に必要だったのかと疑う。

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 家族とは何か。夫婦とは何か。常に、そこにこだわりを持つ脚本家・遊川和彦。今回のテーマは、「特別養子制度」だ。養父母と認められるためには、「試験養育期間が6カ月以上必要」など、当事者にしか知られていない事情がてんこ盛り。

 ただし、「家政婦のミタ」や「純と愛」の脚本家だけに、絶対埋め込まれてるわけですよ、地雷が。

 虐待されていた5歳の少年(横山歩)との出会いから、養子縁組を決意する夫婦。アル中の母を持つ江口洋介に、世界的指揮者である父親との関係をこじらせているピアニスト・尾野真千子。これだけでも十分こみいった夫婦なのに、面接で持病を聞かれたオノマチいわく「昔からちょっと、痔の方が……」。オノマチ、痔。必要なのか、この設定。後々、痔が重大な展開をもたらすのか? 気になってしょうがない、まさに地雷ならぬ、痔雷。

 少年との関係も、そう簡単にはいかない。養父母の愛を確認するため、大暴れする「試し行動」。一転、養母にくっついて離れない「赤ちゃん返り」。試練の連続に、オノマチの痔も悪化。尻を押さえて、「はうっ」と苦悶するオノマチ。「養子制度」の苦しみを、痔の痛みで表現なの?

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