そして、オノマチは、「本物の母親になるために、この子を産むの」と、「産み直し」を決意する。ベッドの上で足をガバッと開き、腹の上に少年を乗せてエア出産。「生まれるーっ! フーッ、フーッ」。枕元では、夫・江口が「がんばれー!」と声援を送る。

 この「産み直し」、実際に試されてる手法らしいけど、「いい子が生まれてくるぞーッ」という江口の絶叫に、もう笑いが止まらない。ちゃんと大人に合わせて生まれてきてあげる少年、えらい。てか、オノマチの痔は大丈夫なの? すっかり忘れられてるよ、痔!

 ちなみに、少年の実の母親役は、志田未来。遊川作品「女王の教室」では、小学6年生の児童役。天海祐希演じる鬼教師におびえて、学校でおもらししちゃうシーンが衝撃的だった。痔だの、おもらしだの、これ、確信的な嫌がらせ? 女優や子役のプライドを、まず木っ端微塵に打ち砕き、そこから湧きあがるリアルな感情を見たいのか。それとも、単なる趣味なのか。でも、もういっぺん言わせてほしい。ほんとにドラマに必要だったのか、痔。

週刊朝日 2016年9月23日号