初公判では、宮本被告の侵入の動機も明らかに。目的はなんと福山のギター。宮本被告は、こう供述した。
「福山さんのギターで、『魂リク』の譜面を弾きたかった」
これはファンの間では人気の高い弾き語りのカバーアルバムで、福山が名器だと語るアコースティックギター「Martin OM−45」(1930年製)と、福山の歌声だけでレコーディングされた作品だ。裁判官に、同じ型のギターではダメだったのかと問われると宮本被告は「非常に特別なものだったので」と供述したそうだ。
精神科医の香山リカさんは、ファン心理についてこう話す。
「こうした犯罪では、相手と接点がなければ自身の人生に価値がないと思い詰める人も多い。ギターと楽譜への執着は、それを弾くことで、憧れの対象と一体化したいとの願望でしょう」
判決は28日に出される。
※週刊朝日 2016年9月23日号