片山さつき議員。以前にも芸人の親族の生活保護受給問題を厳しく追求し、批判された (c)朝日新聞社
片山さつき議員。以前にも芸人の親族の生活保護受給問題を厳しく追求し、批判された (c)朝日新聞社

「なんであそこまでやるのか。高校生相手にですよ」

 神奈川県子ども家庭課の小島厚課長(55)は憤りを隠さない。8月18日、NHKの「ニュース7」内で報道された話題が、ネット上で“炎上”したことだ。

 ニュースは県の「かながわ子どもの貧困対策会議」が開いたイベントを紹介したもので、ある女子高生が実名で自身の窮状を話す様子も映し出された。母子家庭に育ち、母親の仕事もアルバイトで経済的に厳しいこと、キーボードだけを購入してパソコンの練習をしたこと、専門学校進学を諦めたことなどが報じられた。

 だが、報道後まもなく、ネット上では、画面に映った女子高生の画材が高額だとか、彼女がツイッターでつぶやいた映画・舞台の鑑賞や、千円以上のランチを食べたことなどをあげつらい、「これで貧困といえるのか」「NHKのねつ造報道」などの批判で溢れた。個人情報もさらされ、人権侵害といえる状況に発展。

 さらに20日、この“炎上”に参戦したのが、片山さつき参議院議員だ。自身のツイッターで、「チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思う方も当然いらっしゃるでしょう」「NHKに説明をもとめ、皆さんにフィードバックさせて頂きます!」と、女子高生バッシングに加担した。

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