前出の小島課長は、

「女子高生は『問題解決につながるから実名で話します』と、大変な勇気をもって臨んだんです。今、本人はかなり消沈していますよ」

 と肩を落とす。騒動は、

「食べ物や着る物がないなど目に見える『絶対的な貧困』と、親の経済的な事情で進学を諦めざるを得ないなど目に見えない『相対的な貧困』を混同して起きてしまったのではないか」(同)

「片山議員の言動は、二つの意味で軽率だ」と指摘するのは、放送ジャーナリズムに詳しい砂川浩慶立教大学教授だ。

「片山議員が自覚するべきは、本来政治が解決するべき若年層の貧困という問題から目をそらすことに政治家が加担したと言われても仕方がない状況をつくったこと。また、ツイッターを見る限り非常にバイアスのかかった情報に基づいてNHKに説明を求めている。高度な公共性が求められるべきだが、それがあったのか疑問。権力の乱用と言われても仕方がない」

 片山議員の本意を聞こうと取材を申し入れたが、「ネット上に出ているコメントが全て」(片山事務所)だそうだ。

週刊朝日  2016年9月9日号