SEALDsは安保法制に反対する他団体とともに「市民連合」を結成。7月の参院選で野党共闘を呼びかけ、32の1人区すべてで統一候補の擁立を実現させ、うち11の選挙区で当選に導いた。「野党と市民連合の結集は、彼らの存在なくして成立しなかった」(山口教授)

 だが、国会で改憲勢力が3分の2議席を得て、憲法改正の発議や緊急事態条項の新設が現実味を帯びる。そのタイミングでの解散である。小林節・慶応大名誉教授が指摘する。

「SEALDsの衝撃的な現象は1回ポッキリです。後に続く人たちも、二番煎じでは通用しない。相手が脅威に感じるような、新たな政治ムーブメントを創出しなければならない。野党は今度こそ、安倍政権に対して立派な理論闘争をしなければならない」

 SEALDsは「終わったというのなら、また始めましょう」との言葉を残して散開した。近い将来、彼らは、あるいは彼らの蒔いた種は、どう育っているだろうか。

週刊朝日 2016年9月2日号