現役医師が「飲み続けてはいけない薬」を手放さない理由 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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現役医師が「飲み続けてはいけない薬」を手放さない理由

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薬には必ず作用と副作用が…(※イメージ)

薬には必ず作用と副作用が…(※イメージ)

 スタチンで注意すべき副作用は、骨格筋の細胞が壊死(えし)する横紋筋融解症。「飲み続けてはいけない薬」の特集でも、たびたび指摘された。ここまで至らなくても、服用後の数週間から数カ月間で筋肉痛や脱力などが起きることがある。

 厚生労働省によると、筋肉痛となるのはスタチン服用者の2~7%。筋肉がダメージを受けていることを示す酵素のクレアチンキナーゼ(CK)の血液中の値が上昇する割合は、0.1~1.0%だという。

 クレアチンキナーゼ値の上昇にいくつかの条件が加わると、横紋筋融解症と診断される。このため、実際の発症率はさらに少ないと思われている。スタチン系の薬を飲んでいる池田医師は言う。

「筋肉の症状は服用を始めたころに出やすいので、注意しました。もちろん、筋肉のだるさや痛みがあれば、主治医に相談します。ただ、そういう症状は現在ないので、気にせずに飲み続けています。服用することのベネフィット(利益)のほうが、LDLコレステロール値が高いことによる病気の発症リスクよりも大きいと、私は考えています」

 残念ながら、薬には必ず作用と副作用がある。副作用の現れ方には個人差もある。だが、副作用はゼロにできなくても、事前にわかれば、早期の発見・対策で悪化を防げる。

 瀬戸循環器内科クリニック(福岡県)の瀬戸拓医師は、高血圧だけでなく脂質異常症の患者もよく診る。スタチン系の薬は、LDLコレステロールを確実に下げ、動脈硬化の進行を抑えると考えているが、処方する患者には横紋筋融解症を必ず説明し、定期的に血液検査をする。LDLコレステロール値がしっかり下がっているかや、クレアチンキナーゼの値が上がっていないかなどを確認するためだ。

 瀬戸医師は「血液検査などによる早期発見で服用をやめたり、他の薬に変えたりすれば、問題ありません」と説明する。

 脂質異常症の薬ではスタチンのほか、エゼチミブ(ゼチーア)▽フェノフィブラート(リピディル)▽EPA製剤のイコサペント酸エチル(エパデール)▽オメガ‐3脂肪酸エチル(ロトリガ)などの服用者もみられた。

週刊朝日  2016年8月26日号より抜粋


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