薬には必ず作用と副作用が…(※イメージ)
薬には必ず作用と副作用が…(※イメージ)

「飲み続けてはいけない薬」など医療批判の報道が一部週刊誌で続いている。やり玉にあげられた薬は、本当に危険で不要なのか。本誌は、医師限定の情報提供サービスを行うメドピア社の協力を得て、現役医師に緊急調査。回答した526人のほぼ半数の266人は何らかの薬を服用していた。降圧薬に次いで、服用者が最も多かった脂質異常症の薬には危険視されている薬もあった。

 脂質異常症の治療薬を飲む医師は56人。高血圧に次いで多く、薬を飲む医師の2割にあたる。

 服用者が多かったのは、ロスバスタチン(商品名はクレストール)。「HMGICoA還元酵素阻害薬」の一つで、体内でコレステロールをつくる酵素の働きを抑える。名前に「~スタチン」とつくため、スタチン系の薬と言われる。ピタバスタチン(リバロ)、プラバスタチン(メバロチン)、アトルバスタチン(リピトール)も多かった。

 神奈川県内の医療機関に勤める内科医・泌尿器科医の池田春樹医師(30代)は、約5年前から勤務先で処方されたスタチン系の薬を飲んでいる。初めはメバロチンだったが、コレステロールが十分に下がらず、今はリピトールに変えている。

「夜勤などで食生活が不規則で、夜中にたくさん食べてしまう。炭水化物をとることも多く、栄養バランスの悪い食事を続けていたら、LDLコレステロールが189mg/dLまで上がった。薬を飲むことで、今は120~130mg/dLに落ち着いています」(池田医師)

 スタチンは、薬効の強いタイプと比較的マイルドなタイプがある。服用する医師が多かったクレストールやリバロなどは、LDLコレステロール低下作用の大きい「ストロングスタチン」と呼ばれるタイプだ。

 一方で、薬効がマイルドな「スタンダードスタチン」は古くからある。シンバスタチン(リポバス)▽プラバスタチン▽フルバスタチン(ローコール)などだ。

 一般的には、まずスタンダードスタチンから始め、LDLコレステロール値が十分に下がらなければ、ストロングスタチンに変えることが多い。

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