文枝:もう2カ月以上たってますから、思ったより時間かかりましたね。その点、鳥越(俊太郎)さんは、76歳にしては髪の毛多いなあ思いましたですね。

林:あの方、ジムですっごい鍛えてるみたいですよ。

文枝:宇都宮(健児)弁護士のほうが、七つぐらい年下なんですよね。

林:そうなんですか!? 宇都宮さんがずーっと上だと思ってました。話を戻しますが、三谷(幸喜)さんの「真田丸」だと、利休の切腹には茶々が関わっていることになっているじゃないですか。有名な大徳寺の像も、茶々がそそのかして利休に造らせたって。

文枝:そうそう。茶々が「私が欲しかったのは、もう少し小さめのものです」言うて、大徳寺で預かってもらうようすすめるんですよね。利休のセリフに、「注文するときに、寸法間違えましてなあ」というのがあったでしょう。

林:はい、ありました。

文枝:なんぼなんでも、利休ほどの人が間違えるわけないじゃないですか。ディレクターさんにもそんな話をしたんです。僕自身の解釈としては、利休は茶々のことをなんとなく思うとって、自分の存在をアピールするために、大きく造らせたんちゃうかと。そういう解釈で、やらせていただいたんです。切腹のシーンは台本には1行だけ、「利休白装束にて切腹す」としかなかったんですが、カメラの位置変えたりして何回もやって。大型扇風機で桜吹雪を舞わせるから、寒いんですよ。ちょっと風邪をひきました。3時間くらいかかりましたが、オンエアでは15秒くらいになってました(笑)。

週刊朝日  2016年8月5日号より抜粋