ピカソが路上で声かけた17歳の少女と日本初上陸の“女神” (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ピカソが路上で声かけた17歳の少女と日本初上陸の“女神”

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ローラン・ル・ボンLaurent Le Bon/パリ・ピカソ美術館館長。1969年生まれ。パリ政治学院およびルーヴル学院卒。2000年からパリ、ポンピドゥーセンターのキュレーターを務め、08年から同センター・メス分館館長。14年から現職(撮影/写真部・加藤夏子)

ローラン・ル・ボン
Laurent Le Bon/パリ・ピカソ美術館館長。1969年生まれ。パリ政治学院およびルーヴル学院卒。2000年からパリ、ポンピドゥーセンターのキュレーターを務め、08年から同センター・メス分館館長。14年から現職(撮影/写真部・加藤夏子)

「愛がピカソに絵を描かせた、と言ってもいいでしょう。新しい女性が現れたとき、より多くの創作を行っていますし、よりエネルギーに満ちた作品が生まれています」

 ル・ボン氏はそう認めながらも、伝記的な見方から作品を楽しむだけではもったいないと指摘する。

「本作に描かれた2人が誰なのか、知る者はいません。最愛のマリーと、妻オルガだと考える人もいる。でも私にとっては、現実の世界にはいない抽象の“女神”なのです」

 どのような読み解き方も可能なのが、ピカソの面白さだと言う。

「右の女性は絵を描いているようにも見えるし、左に置かれた鏡は絵でもある。絵とは何か、という暗喩(メタファー)ではないかと思っています。花などのディテールや、鮮やかな色彩もすばらしい。ピカソは線で描き、マティスは色で描いたと言われていますが、この絵を見ると、ピカソも非常にすぐれた色彩感覚を持っていることがわかります」

 自分ならではの視点で、ピカソの“女神”を堪能したい。

週刊朝日 2016年7月1日号


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