「仮にも名編集長でしょう!」花森安治を叱った“とと姉ちゃん” (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「仮にも名編集長でしょう!」花森安治を叱った“とと姉ちゃん”

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「暮しの手帖」創業者の大橋鎭子(しずこ)さんをモチーフとしたNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が絶好調だ。高畑充希演じるヒロインが戦後、苦難の末、唐沢寿明演じる花森安治氏がモデルとされる名編集長と出版社を立ち上げるという物語だ。人気の秘密と「暮しの手帖」の魅力に迫る。

 初回から視聴率20%超えが続く理由を、上智大学の碓井広義教授(メディア論)はこう読む。

「前作までの朝ドラ視聴習慣に加え、『とと姉ちゃん』は一つひとつのエピソードを丁寧に描き、日本人の暮らしの原点がある朝ドラ。困難な時代に夢を実現していく女性の一代記は“朝ドラの王道”でもあります」

 今後、物語の軸は、雑誌編集部へと移るが、大橋鎭子さん(2013年に93歳で死去)が天才編集者・花森安治氏と共に創刊したのは「暮しの手帖」──。最盛期には100万部に近い発行部数を誇り、現在も出版されている生活情報誌だ。

 自伝『「暮しの手帖」とわたし』(大橋鎭子著)によると、二人は会社を作る時に<もう二度と恐ろしい戦争をしない世の中にしていくために、一人一人が自分の生活を大切にする雑誌を作りたい>と約束。その気持ちが、現在も表紙裏に<これはあなたの手帖です>と記されている。

 その「暮しの手帖」はどんな編集部だったのか。元編集部員の河津一哉さん(86)は、こう振り返る。

「創刊時から、編集実務に詳しいのは花森さんだけ。表紙の作画から、見出し、文章、カット絵、写真、新聞広告まで全てを抜群のセンスで仕切る編集長でした。この天才が仕事に没頭できるよう、雑事の処理を引き受けて陰で支え、部員に気を配ってくれていたのが、社長であり編集部員でもあった鎭子さんでした」

 花森氏は「学校の論文が書けたから簡単だと思っているだろ。あんなものは文章じゃないぞ」と怒り、読者にわかりやすい文章を書くように、口を酸っぱくして言っていた。


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