性もより長く楽しめるように…(※イメージ)
性もより長く楽しめるように…(※イメージ)

 年をとると枯れる。大方の人はそう思っているかもしれないが、そうではない。日本家族計画協会ではコンドームメーカーのジェクスと共に、日本人のセックスの回数や時間、絶頂感、トラブルなど性行動の実態を20~69歳の男女(集計対象5029人)に調査した。その報告書<ジェクス・ジャパンセックスサーベイ2013年版>にはこんな結果が載っている。

<この1か月間に、マスターベーションをしたか>

 この質問に対し60代の男性は45.0%、女性は13.8%が「した」と答えた。この調査を行った日本家族計画協会理事長で産婦人科医の北村邦夫さんは言う。

「日本は性に関して人に言うのは恥ずかしいことだという文化が根付いているので、全員が正直に答えたかはわからない。それでも60代男性がひと月に半数近く自慰をして、女性も13.8%したというのです」

 さらに、自慰の際に使用するものを聞くと、60代男性ではゼリーなどを使う割合が4.8%、60代女性ではバイブレーターという答えが20.5%あり、「年少者より工夫していた」という。

「最近の60歳代の男女は元気。女性は閉経がセクシュアリティーの終わりと勘違いされますが、(妊娠時期を除いて)性欲に関わる男性ホルモンは60歳ごろまではほぼ一定。長い間女性の性欲は維持されるのです」

 人生50年でなく80年の長寿時代、性もより長く楽しめるようになったのだ。

「脳は性なりという言葉がありますが、いくつになっても性行為がしたくなればすればいい。二人でも、一人でも。性生活が盛んで快楽の記憶が多くある人は、年を重ねてもその気持ちよさを求める傾向があるのかもしれません」

週刊朝日 2016年5月6-13日号より抜粋