卒業と同時に「手に職」がつけられる大学や学部が人気だ(※イメージ)
卒業と同時に「手に職」がつけられる大学や学部が人気だ(※イメージ)

「大学は入学がゴール」と言われた時代は終わり、卒業後を見据えた大学選びが主流になりつつある。とりわけ人気は、卒業と同時に「手に職」がつけられる大学や学部だ。実績上位の大学とその取り組みを紹介するとともに、気をつけたいポイントを紹介する。

 ランキング上位の大学にはどんな強みがあるのか。管理栄養士合格者数全国1位の女子栄養大(埼玉県坂戸市)を例にみてみよう。

 女子栄養大は、1961年、短大を前身として開設された栄養学部単科の大学だ。管理栄養士の合格者数は、ここ数年トップを独走、現役学生では受験者のほぼ全員が合格している。栄養学部実践栄養学科長の川端輝江教授は言う。

「みんなで国家試験を受けてみんなで合格しようという気風が、こうした結果に結び付いているのだと思います。200人以上の学生がいるので、1割ぐらいは合格が危うい学生もいます。そういう子にはできる学生が勉強を教えたり、試験直前には教員がボランティアで教えたりしています」

 国家試験対策の問題集を大学が独自に出版したり、教員作成の模試を実施したりと、支援は多岐にわたる。また試験前は学食や図書館を夜まで開けるなど、大学全体で勉強に専念できる環境をつくっている。

 だが、成果を出すためにもっとも重要なのは「学生のモチベーション」だと、川端教授は言う。

「社会における管理栄養士の役割を理解させることから始まり、学外実習後の報告会や専門性を高める科目を置くなど、さまざまな仕組みを工夫しています」

 試験対策だけではなく、就職後に即戦力になれる人材育成にも力を入れる。女子栄養大を卒業後、埼玉県内の病院に就職した管理栄養士、伊藤恵さん(29)は、大学時代の実習が役立ったと語る。

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