フジマキ「『マイナス金利』は『量的緩和』より先にやるべきだった」

虎穴に入らずんばフジマキに聞け

藤巻健史

2016/03/07 07:00

2月9日、史上初めて10年物の国債の利回りがマイナスになった (c)朝日新聞社
2月9日、史上初めて10年物の国債の利回りがマイナスになった (c)朝日新聞社

 伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、「マイナス金利」は「量的緩和」より先にやるべきだったという。その理由は……。

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 香川県初の女性公認会計士で大学のゼミの後輩である千晶さんが、正月早々、議員会館に遊びに来た。部屋に入るなり、「わ、汚い。あ、先輩、あけましておめでとうございます」ですと。私は字と部屋の汚さには定評があるから、「わ、汚い」はいたしかたない。しかし「あけましておめでとうございます」の次に「わ、汚い」でしょうが。モノには順番がある、はずだ。

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 黒田東彦日銀総裁は「異次元の量的緩和」を2年10カ月間行った後、1月29日、「マイナス金利政策」の併用を決定した。2月12日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは「量的緩和策が限界に達したと日銀が認めたことになる」と書いたそうだ(2月13日付の日本経済新聞夕刊)。私は「量的緩和策が限界に達した」というより、やってはいけない政策だったと思うのだ。副作用があまりに大きい。

 最終的に「マイナス金利政策」を採用するのならば、「量的緩和」より先だったはずだ。順番が違う。量的緩和という効果が実証されておらず、副作用が大きい政策を先に実施したのはまずかった。「マイナス金利政策」を唱えていた私が「正気の沙汰ではない」という評価を受けていたくらいだから、日銀は超マイナー意見だった政策を実行する勇気がなかったのだろう。

 この20年間、日本のみが名目GDP(国内総生産)が全く伸びずに苦しんでいた。この間、米国は2.3倍、英国2.4倍、豪州3.2倍、シンガポール3.2倍、中国にいたっては11.3倍(すべて自国通貨ベース)だ。「マイナス金利政策」を行っていれば、今日のように、他国との金利低下競争、通貨安戦争をせずに済んだ。大幅円安で景気大回復だったろう。

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