そんな中、3年連続の入園料値上げが2月8日に発表された。4月から「1デーパスポート」は、大人料金6900円が、7400円へと値上げとなる。1983年オープン時の3900円と比べると、実に倍近い金額だ。

「7400円はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの1日券と同価格。テーマパークの充実度を鑑みると、高すぎる金額ではない。(ディズニーリゾートを運営する)オリエンタルランドは、まだ安いほうだと考えているはず。値上げは6月開業の上海ディズニーランドを睨んだ動きでは」(前出のアナリスト)

 オリエンタルランド広報部に聞いてみた。値上げについては、「上海開業は、全く関係ありません。あくまで当社の価格戦略の一環です」。顧客満足度調査については、「当社が関わった調査でないためコメントを控えさせていただきます。従業員数は変わらず、制作費などはショーの内容によって異なるため一概に比較しかねます」とのこと。

 14年に「ショーのリニューアル」を理由に解雇された元ダンサーはこう漏らす。

「自分と同じタイミングで100人近いダンサーが解雇された。数年前からコストカットの一環で残業NGの風潮が強まり、ショーのリハーサルができず、ぶっつけ本番のチームもあった。入社時は、残業を厭わず練習を重ねる姿勢に、さすがはディズニーだと感動したのに……」

 夢の国の現実はあまり知りたくないものだ。いつまでも覚めない「夢」が見られる場所であってほしい。

週刊朝日 2016年2月26日号