「夢の国」も現実は厳しい?(※イメージ)
「夢の国」も現実は厳しい?(※イメージ)

 テーマパークの代表格であり、「夢の国」とうたわれる東京ディズニーリゾート。その顧客満足度に今、陰りが生じている。

 サービス産業生産性協議会が実施している「日本版顧客満足度指数」調査で、歴代上位をひた走ってきたディズニーが、2015年調査で劇団四季らに大きく差をつけられ、「トップ10落ちすることが確定した」(調査のアドバイザーを務める、小川孔輔・法政大学経営大学院教授)のだ。夢の国でいったい何が起きているのか。

 準大手証券に勤める業界担当のアナリストは言う。

「年間入園者数3千万人を超えた13年度辺りからキャパシティーに限界が見られ、混雑が深刻になった。混雑への不満が噴出しつつある」

 サービス水準を疑問視する声も。テーマパークを研究する桜美林大学の山口有次教授はこう指摘する。

「ショーやパレードの質の低下、パーク全体の従業員数が減らされているという声は、リピーターから多く聞きます。人員削減で1人当たりの負担が増え、サービスの質も下がってきているのでは」

 実際、周年イベント時のダンサー数を比較した調査結果では、03年の20周年はダンサー120人だったのに対し、13年の30周年は72人にまで減少。さらに財務諸表を見ると、「エンターテイメント・ショー製作費」は09年3月期の約154億円から15年3月期は約54億円と、およそ3分の1に激減した。

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