突拍子もない設定だが、事件の題材は、動画での殺害予告、カリスマ主婦ブロガーの実相など、“ネット社会の闇”が描かれている。

「現代社会の合わせ鏡としてのドラマという意味では、ネット社会の問題に切り込んでいて評価できる」(同)

 一方、セクシー担当の斎藤工が、犯罪学者という新たな一面を見せている作品が、有栖川有栖の人気小説が原作の「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日テレ系・日曜22時30分)だ。斎藤演じる火村と窪田正孝演じる推理作家有栖のコンビが、警察そっちのけでスピード解決する、これもまた異色作。

 斎藤の代名詞といえば“壁ドン”だが、1月中旬に出演した「おしゃれイズム」では、壁ドンを披露して勢い余ってセットを壊した“珍事”が話題となった。

「セットを壊したことで、“壁ドン俳優”というイメージを壊す伏線になったのではないかと、笑い話になるほど和気あいあいとした現場です」(日テレ関係者)

 これまでヒロインを引き立てる役が多かったものの、「ようやく俳優としての評価が問われる期待作。『女なしでもやっていける』と言わんばかりのイキイキした演技に注目ですね」(碓井教授)

週刊朝日 2016年2月19日号より抜粋