北島康介 (c)朝日新聞社
北島康介 (c)朝日新聞社

 右ひじを骨折し、昨夏の世界選手権を欠場した萩野公介(21)が気になるが、15年11月の復帰戦を見た専門記者はこう話す。

「思ったより泳げていた。平井伯昌監督が甘やかしてないということです(笑)」

 さまざまな種目で活躍する天才的なオールラウンダーだが、メダルの可能性が高いのは400メートル個人メドレー(4個メ)。リオでは瀬戸大也(21)との勝負になる。

「萩野が欠場した昨夏の世界選手権の4個メで、瀬戸が自己ベストの記録で優勝し、リオ出場を決めた。現時点では瀬戸にアドバンテージがある。本番でのライバル対決が楽しみ」(同前)

 女子の躍進も期待される。昨夏の世界選手権200メートルバタフライで、日本人初の世界選手権での金メダルを獲得した星奈津美(25)と、200メートル平泳ぎで優勝した渡部香生子(かなこ・19)は、リオ五輪出場が内定している。

「星は五輪の金メダルを取るために現役を続けているみたいで、強い意志を感じる。渡部は、ロンドン五輪で急にヒロインになっちゃって精神的に不安な時期もあったが、コーチが代わり、今はものすごく前向き。2人とも期待できる」(同前)

 そして、忘れてはいけないのが平泳ぎの北島康介(33)だ。「10代のスポーツ」と言われる競泳で、30過ぎての五輪挑戦……。

「彼は本気で金メダルを狙っている。100メートルは難しいが、200メートルは世界記録の更新が止まっているのでチャンスがある」(同前)

 一般に競泳の選手寿命が短いのは、プロがなく、仕事をする必要に迫られるうえ、練習環境が乏しいからだ。その点で、スポンサーが付いている北島には水泳に専念できる強みがあるという。

 競泳の代表は、4月4日開幕の日本選手権での一発選考(各種目の2位以内に入り、派遣標準記録を突破するのが条件)。要注目だ。

週刊朝日  2016年1月15日号