田原総一朗「VW社の不祥事でわかる日本人の『あいまい体質』」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「VW社の不祥事でわかる日本人の『あいまい体質』」

連載「ギロン堂」

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東芝の臨時株主総会を報じる記事は遠慮っぽい?

東芝の臨時株主総会を報じる記事は遠慮っぽい?

 個人や企業などが起こす不祥事。当事者のその対応もさることながら、日本人の批判に偏りが大きいとジャーナリストの田原総一朗氏は、指摘する。

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 ドイツを代表する世界的企業であるフォルクスワーゲン(以下、VW社)の不祥事が深刻な事態になっている。ディーゼル車の排ガス量を違法に操作するソフトウェアを使っていたことが露呈したのだ。

 VW社は、2006年から環境性能の良さをうたった「ブルーモーションテクノロジー戦略」を進めていた。08年のロサンゼルス自動車ショーで乗用車「ジェッタ」を発表し、ヴィンターコーン社長は「18年までに1千万台を達成し、トヨタを抜いて世界一になる」と宣言した。そして「ジェッタ」は狙いどおり、その年の米グリーン・カー・オブ・ザ・イヤーを射止めた。

 そのVW社が、とんでもない“完全犯罪”を行っていた。私は不正発覚の情報を知っても、容易には信じられなかった。ドイツの代表的企業であるVW社が、そのような犯罪的不正をするはずがない……。私はドイツの学者やジャーナリストたちと何度もディスカッションをしたことがある。彼らは「公共」ということに対してあいまいさもエゴの付け入る不明瞭さもなく、そのたびに、自分のいいかげんさを思い知らされたからである。そのドイツの代表的企業が、犯罪的不正をやってしまった。

 ただし、不正発覚からの対応は速かった。米当局が不正を公表したのは9月18日だったが、VW社は事実関係を即座に認め、ヴィンターコーン社長は23日に辞任を表明。10月7日までにリコールの計画を発表すると決めた。それだけではなく独検察当局の捜査も始まり、ヴィンターコーン前社長の逮捕、取り調べはもちろん、VW社という企業が生き残れなくなる恐れが強いとまで見られている。ドイツ人たちの潔癖さは、こうした不正企業の存続を許さないというのである。

 ところで、VW社の厳しい前途を報じている各紙が、同じ紙面で、東芝の15年3月期決算の報告と経営体制刷新のための臨時株主総会が開かれたことを報じている。


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