また、ネット黎明期(れいめいき)のパソコン通信の時代はユーザーが限られ、互いに学び合いがあったというが、SNSが多岐にわたると、ネットの作法を学ぶ機会もなくなったと分析する。

 殺害予告をするのは、一体どんな人たちか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏はこう語る。

「本人は大抵いいことをやったと思っているんです。“悪の象徴”に対しては脅しをかけてもいいと思い込んでいる。罪を犯して逮捕されるってことがわかってないんでしょうね」

 その多くがネットの記事やデマ情報を真に受ける困ったちゃんたち。感情の赴くままにパソコンやスマホに向かうのだろうか。

教育をしたらどうかと優しいこと言ってもしょうがないですよ。バカはバカのまんま。どんなに考えても、ルールを越えてしまうどうしようもない連中ってのがいるんです」(中川氏)

 彼らが画面の外の現実に向きあう日は来るのだろうか。

(本誌・鳴澤 大、永野原梨香、牧野めぐみ、西岡千史、林 壮一、松岡かすみ、秦 正理/今西憲之)

週刊朝日 2015年10月16日号