「カーネーション」では、朝ドラヒロイン史上初の不倫、その恋の相手、周防さん(綾野剛)。「花子とアン」では、一見傲慢で横暴、しかし一途に華族の令嬢・蓮子様(仲間由紀恵)を愛する伝助(吉田鋼太郎)。

 ここのところの朝ドラに欠かせないものは「萌え」。それは制作側が、意図して配置した人物とは限らない。例えば「ごちそうさん」の竹元教授(ムロツヨシ)みたいに、いちいち場をぶっ壊しに来るスパイスの効いたキャラも、十分「萌え」対象なんだから。

 一方「まれ」で一番「萌え」対象になりそうな大泉洋、なにかっつーと失踪。夫(山崎賢人)、見た目が徐々に「デスノート」化(同時期に撮影してるので)。

 どこかに「萌え」を見つけようとしたら、「地道にコツコツ」とか言ってたヒロインは、いきなり市役所辞めて横浜でパティシエ→能登に戻って塗師屋のおかみ→でもやっぱりケーキ屋→元の民宿に一家で移動→世界一のパティシエ目指すのか? 「萌え」どころか「まれ」どころか「ブレ」すぎだよ! 次回の朝ドラはぜひ、「萌えハンター」有働アナのハートに火をつける展開でよろしく頼む。

週刊朝日 2015年9月18日号