ところが、この保険は死亡時期で受け取れる保険金が違ってくる。65歳までに死亡もしくは高度障害の状態になれば、前述の一時金と年金を受け取れる。しかし、65歳以降に死亡もしくは高度障害の状態になった場合には、200万円の一時金しか受け取れない。

 そのうえ、現在の保険料月額は「おこづかいで払える金額」(香山氏)といっても2万9073円と安くない。50歳以降はさらに上がり、30歳の加入時から65歳までの保険料の総支払額は1727万2680円にのぼる。

 65歳以降も医療保障が欲しい場合は、195万円を一括払いする必要がある。払い込んでも保障は80歳で終了する。

「自分がどんな保険に入っていて、どんな保障を受けることができるのかを知らない人が多すぎる」

 ファイナンシャルリサーチ所属のファイナンシャルプランナーの野尻美江子氏はこう強調する。

「家計相談で『月々2万円も保険料を払っているから保障はバッチリ』と言う方の保険を確認したら、なんと貯蓄型の養老保険だけ。医療保障はないのに『入っている』と思い込んでいたので心配になった」(野尻氏)

「保険に悪いものはない」とファイナンシャルプランナーの山口京子氏は言う。

「ただし、自分が必要とする保障内容と、いま加入している保険がミスマッチの可能性はある」(山口氏)

 節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏は「ムダな保険は節約の大敵」とバッサリ。ミスマッチな保険からは一刻も早く卒業したほうが良さそうだ。

週刊朝日  2015年9月4日号より抜粋