北原みのり「呪いの『あ◯◯◯◯う』」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「呪いの『あ◯◯◯◯う』」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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あ◯◯◯◯うが怖い?

あ◯◯◯◯うが怖い?

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。四谷怪談の話をしていて、こんなことを感じたという。

*  *  *
 人が何を怖いと思うかは、お国柄なのだということを聞いた。例えばアメリカ人は「強いもの」に恐怖を感じ、日本人は「人の恨み」が怖くてたまらない。

 なるほど。そう言われてみれば、アメリカのホラー映画の悪役って、たいてい最強の武器を持っているか、武器で殺しても死なない無敵さで人間を襲ってくる。人形がハサミ振り回したり(チャッキーでしたね)、死人が斧振り回したり(ジェイソン以外にもいたような気がします)、すでに死んでるから死を恐れずに闘うゾンビだったり。

 一方、日本は人形の髪が伸びたってだけで怖いし。死人が襲ってこなくたって、井戸の中に霊がいるらしい……というだけで泣きそうになる。人の気持ち、人の恨みが形になることが、本当に怖いのだ。

 少し前、私が四谷怪談の話をしていたら、友だちが「やめて!」と顔をしかめた。どうした? と聞くと、「その名前は言っちゃダメ!」と。おばあちゃんからの言い伝えなのだという。お◯◯◯ん(←かえって卑猥になってしまって、ごめんなさい)の名前を口にすると、よくないことが起きてしまう、と。それを聞き、私も素直に言うことを聞いた。人生何が起きるか分からない。災いからはなるべく遠ざかりたいと思うのが、人の心というものでしょう。


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