「Bはバイクを何とかよけて反撃。鉄パイプを持ち出し、H容疑者と乱闘。洲本署が駆けつける大騒ぎになりました」(Aさん)

 その後、Bさんが殴ったことを認めて罰金刑となり、洲本署もH容疑者と周囲のトラブルを認識したという。

「ネットに書かれたことを名誉毀損で刑事告訴してくれれば、こちらも動くことができる」と洲本署の勧めで毅さんらはそのとおりにした。そして10年12月、H容疑者は逮捕。

 不起訴処分だったが、そのまま兵庫県明石市内の精神科病院に措置入院することになった。

 平穏な日々が続き、毅さん宅では家のリフォームを始めた。その日々が今年2月14日、「きぇ~」という突然の奇声で破られた。

 地元に舞い戻ったH容疑者がカメラで近所を撮影しながら、奇声をあげていたのだ。

 その様子を目撃したBさんによると、H容疑者は重そうなリュックサックを背負って、目の焦点が合っていなかったという。

「どう見ても病人。これは大変なことになったと思いました」(Aさん)

 戦慄が走ったAさんらはすぐにH容疑者の父親に話を聞きに行った。そのときの会話を記したメモが今もAさんの手元にある。

≪明石で入院していたがトラブルで淡路島に帰ってきた≫≪帰ってきた直後はおとなしかったが、病人という認識がなく服薬も拒否して徘徊≫≪金銭、パソコンは与えず電気も切っている。何かあれば警察に動いてくれるよう連絡した≫

 その話で、より不安に思ったAさんらは、近所の駐在所に連絡。H容疑者の状況を調べてほしいと依頼する。

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