高2少女が同級生に明かした“動機”「おばあちゃんが嫌い」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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高2少女が同級生に明かした“動機”「おばあちゃんが嫌い」

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 発生当初は室内が荒らされていたことから強盗の犯行と思われた北海道南幌町(なんぽろちょう)の女性2人殺害事件。しかし、真犯人は高校2年生の三女(17)というショッキングな結末だった。三女は北海道警の調べに「私がやった」と犯行を認め、その動機を語り始めた。近く生徒会長になるはずだった三女はなぜ、包丁で母親(47)と祖母(71)をめった刺しにしたのか──。

「以前から祖母と母を憎んでいた。しつけが厳しかった。今の状況から逃れたかった……」

 その後、凶器の包丁は、仕事から帰宅した会社員の長女(23)が運転する車で自宅から約4.5キロ離れた公園に捨てに行ったことも判明。長女は犯行に無関係で、妹をかばおうとしたとみられる。三女が通っていた高校の教頭の証言。

「中間試験の最中に事件が起こりましたが、試験ができなかったなど短絡的な理由で衝動的にキレる子ではありません。活発でリーダー的な生徒で10月15日に生徒会長になる予定でした」

 現場となった一軒家に三女の一家が引っ越してきたのは、十数年前のことだ。母親と父親はすでに離婚。次女は父親が引き取り、ずっと母親の実母である祖母と長女、三女の4人暮らしだった。

「この家は、もともと祖母が娘一家と一緒に住むつもりで建てたんです。当初は祖母は別の家で暮らし、夫婦と子どもだけで暮らしていた頃はみな、仲がよかった。でも祖父が亡くなり、祖母が家に同居するようになり、家族関係がおかしくなった。祖母は祖父の遺族年金、退職金などもあったでしょうから、娘夫婦が離婚した後は一家の大黒柱でした」(近所の住民)

 祖母は近所で評判の「お洒落な人」。明るい栗色に染めた髪をきちんとセットし、服装に合わせてイヤリングや指輪をコーディネートしていた。町内会のゴミ拾いなどの行事に律義に参加していたという。長女はすでに働きに出て、三女は生徒会活動に熱心な模範生。

 表面上は女性ばかりの幸せな家族像が浮かぶが、自宅周辺を歩くと、犯行の動機を裏付ける不穏なエピソードが次々に出てきた。

近所の人の話によると、三女は、子どもの頃からひとりだけ庭に建てられたログハウスのような平屋の離れで寝起きしていた。登校前に犬の散歩を強制され、雪かきや炊事、洗濯、掃除など家事をすべてやらされ、門限は午後5時だったという。

「午後5時の音楽が流れる前に、三女は必死の形相で家に走って帰っていました。近頃の娘はおしゃれですが、三女はいつもウインドブレーカー、ジャージーのようなスポーツ服を着て着飾ることもなかった」(三女の同級生の母親)

 祖母は周囲に「厳しくしないと教育にならない」と話し、三女には厳しかったが、母親と長女にはやさしかったという。三女が幼稚園児だった2004年には、児童相談所に母親が虐待しているという通報もあったといい、幼い頃から異様な子育てが行われていた可能性がある。

「中学校の担任からの引き継ぎの中に『家庭で祖母が厳しい』という言葉がありました」(前出の教頭) 

 三女の同級生は、ショックを隠せない様子でいう。

「おばあちゃんからいじめられていたみたいで、『仲が悪い。嫌だ、嫌いだ』と話していた。追いつめられた彼女がかわいそうです。同級生たちで嘆願書を出そうという話も出ています」

 福島大学の生島(しょうじま)浩教授(非行臨床学)は指摘する。

「三女には、祖母や母に恨みを持たざるを得ない成育環境があったのだろう。推測だが、祖母は娘である母親に期待していたが、離婚するなど意に沿わないことが重なり、孫こそはと、より厳しく接していたのではないか。不満が蓄積され、爆発してしまったケースでしょう。家族関係に冷静な第三者による『差し水』があれば、防ぐことのできた悲劇です」

週刊朝日  2014年10月17日号より抜粋


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