リーマンショック直後の株価ボード (c)朝日新聞社 @@写禁
リーマンショック直後の株価ボード (c)朝日新聞社 @@写禁

 一部の関係者の間で、「米国株暴落説」が囁かれ始めた。

 50年以上、相場の動きを見ている国際エコノミストの今井澂(きよし)氏のもとには、大物ヘッジファンドからこんな声が届いているという。

「米国株は、夏以降、怪しくなる気がするんだ。オバマ大統領の求心力も低いし、時と場合によっては、不意打ちを食らうように急落したブラックマンデーの再来ということも考えられるね」

 ブラックマンデーとは、1987年に起こったニューヨーク株式相場の大暴落のこと。10月19日の月曜日、ダウ平均は一気に2割以上も下落。史上最大規模の暴落となり、世界同時株安を引き起こした。

 現在の相場は当時と類似している点がある。87年当時も金融緩和で相場はジャブジャブだったのだ。

「ブラックマンデーの引き金は、緩和の引き締め観測でした。今回もイエレン議長は10月に緩和を終了し、来年には利上げに踏み切るといわれてます。今は人類未到の異次元の緩和状態。急激に引き締めるようなことがあれば、とんでもないことになります」(準大手証券のストラテジスト)

 緩和終了の10月ごろがいちばん危ないという。

 バブル崩壊の予兆は、意外なところに表れ始めた。イエレン議長も指摘したツイッターの株価だ。

「SNS株が最近になって下がってきていて、この動きが1929年の大恐慌前のときのダウ平均の動きと似通っているんです」(ブルームバーグ・ニュースのワシントン支局の山広恒夫記者)

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