ドラマ評論家「初回の時間延長放送は逆効果」 そのわけは? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ドラマ評論家「初回の時間延長放送は逆効果」 そのわけは?

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週刊朝日#ドラマ

ペテロの葬列

宮部みゆき著

978-4087715323

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 ドラマ評論家の成馬零一氏は、新ドラマの第1話を時間延長で放送する“習慣”についてこういう。

*  *  *
 連ドラがはじまると、第1話を15分や1時間延長することで、スペシャル感を出そうとすることが多いのですが、はっきり言ってあれは逆効果ですね。

 リズムが崩れてお話が冗長となり、終わる頃には「もう見なくていいや」と、萎えることもしばしば。最悪の印象ばかりが残る悪習です。しかし、『ペテロの葬列』は、珍しく初回2時間放送という長さがうまく生かされていました。『ペテロの葬列』はTBS系で月曜夜8時から放送されているドラマです。

 原作は宮部みゆきの同名小説で、大企業の広報室の社内報副編集長・杉村三郎を主人公にした犯罪小説の3作目。前2作の『誰か』『名もなき毒』(ともに文春文庫)が同放送枠で『名もなき毒』としてドラマ化されたのが好評だったため、このたび、続編が作られました。

 物語の舞台は前作から2年後。取材帰りにバスに乗った杉村(小泉孝太郎)と編集長の園田(室井滋)と編集部員の手島(ムロツヨシ)は、バスジャック事件に巻き込まれてしまいます。こう書くとよくある犯罪モノのようですが、ユニークなのはバスジャック犯(長塚京三)の物腰がやわらかく「すいませんが、動かないでください」と、ですます口調で脅迫してくること。銃で脅しながらも、丁寧な口調で乗客の携帯電話を回収し、閉鎖された会社の駐車場にバスを停めた後は、バスの運転手と乗客の一人であるおばあちゃんを解放し、運転手に警察に連絡するように命じます。ここまで、実にスマートな応対で、もしかしたらいい人なんじゃ? と、錯覚しそうになります。


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