生半可なものは許さない、そんな目をしている。好調の主演ドラマは放送前から否応なく注目を集めたが、小栗旬はプレッシャーを楽しんだ。
「20代前半でやったキラキラしている役は、本来の自分にはすごく苦手なことだったので、反対のほうに向かおうと思っても、その僕にはあまり需要がなかった。どんなに命がけでやっても、お客さんが喜んでくれなかったら意味ないなっていうのが僕の考え方」
突き放すように語るが、作品に入るとほとんどをその現場の人と過ごす。対立する役でも「コミュニケーションがあってなんぼ」で信頼関係を築く。俳優仲間から「旬は作品が終わったら途端に連絡がなくなるから、今度はどの男の所に行ったんだって嫉妬心が生まれた」なんて言われたほど。
私生活は人の目が多すぎて羽目も外せず「もうめんどくさくて」と吐きだす。雑音はやまないが、「嫌われるのをビビっていた時期もあるし、皆に好かれたいと思ってきましたけど、最近は別に嫌われてもいいやって感じですよね」
言葉は辛辣に聞こえるが、全ての質問に目をそらさずに答える。すがすがしいほど真っすぐ、だ。
※週刊朝日 2014年6月6日号