役目を終えるブルートレイン「あけぼの」 引退は妥当? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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役目を終えるブルートレイン「あけぼの」 引退は妥当?

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週刊朝日#鉄道

 中学2年生の少年は、上野駅を発着する「あけぼの」に夢中でレンズを向けていた――。鉄道写真家の持田昭俊さんが初めて寝台特急「あけぼの」を撮影したのは1975(昭和50)年のこと。当時は空前の“ブルトレブーム”だった。

 それから39年、「あけぼの」はその役目を終える。

「とうとう来るべき時が着てしまいました。力強く、確かな人生を切り開いてきた名優、いや名列車でした」

 持田さんは格別の思いを抱く。

 鉄道写真を撮り続けて63年の広田尚敬さんは、初めてブルートレインを見た時の驚きを今も覚えている。

 それまでの列車といえば、いろんな車両の寄せ集めだった。だが、58(昭和33)年に寝台特急「あさかぜ」でデビューを飾った20系客車は全車空調完備。深みのあるブルーの塗装にクリーム色の帯を3本巻いた、洗練されたデザイン。“走るホテル”と言われ、ブルートレインという名称の由来になった。

「まさに大人の列車という感じでしたね」

 20系客車は70~80年代の全盛期の「あけぼの」を担った。

「昔は技術の粋を生かして50年はもつ車両を造っていました。今は技術の進歩も早く、流れに合わせて新調するほうが合理的。『あけぼの』はガタがきていましたし、廃止は妥当でしょう」

 広田さんは、引退を冷静に受け止めている。

「写真を撮るのも、乗るのも、普段の姿が一番。そういう姿にこそほれぼれするのです」

 とはいえ、ブルートレインに旅情を感じずにはいられない。中井精也さんもその一人だ。鉄道にまつわる情景を独特の視点で切り取る“ゆる鉄”を提唱。上野駅を発着する「あけぼの」もその被写体となった。

「上野駅の13番ホームは行き止まりで、独特のオーラを放っている特別な場所。線路の向こうにふるさとを感じます。人々の故郷への思いが、線路にも宿っているような気がします」

週刊朝日  2014年3月21日号


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