有村架純(かすみ=20)にとって2013年は芸能界に入って4年目。「あまちゃん」のほか、「SPEC」「JUDGE/ジャッジ」など話題の映画や多数のCMに出演。大ブレークの一年になった。
「13年2月に20歳になったんですけど、19歳までの甘かった自分が嫌で、『ハタチになったら絶対に変わる』って強く思ったんです。そしたら仕事に責任感が出て、いままで以上に一つひとつの作品にも愛着が湧いて……。決意が成果につながったとしたら、嬉しいです」
「あまちゃん」では小泉今日子演じる春子の青春時代を好演。1980年代に流行した「聖子ちゃんカット」で中高年の支持も得て、活躍の場が広がった。
「似合うね、と言われたんですけど、私は顔がフツーなんで(笑)、ふわっとした髪形がうまくフィットしてくれたのかも。細かいシャギーが入っていて、切ると他の役ができないのでカツラにしたんですが、バッサリ切る覚悟はあったんです。過去の時代を体感できたし、楽しかったですね。私は撮影現場がとにかく好き。スタッフの方々のこだわりが結びついて、作品ができあがる。現場に立つと勉強になるし、この職業を選んでよかったと思えるんです」
女優に興味を持ったのは中3のころ。ドラマを見ながら、「私だったらこう演じる」と考える自分に気づき、夢への道を模索した。
「どのタレントさんがどの事務所にいるかとか、オーディションの日とかを調べて、『女優になるためノート』を作り、いまの事務所のオーディションに参加しました。兵庫県伊丹市出身なので、話し方の勉強もする必要があって、実際に事務所入りできたのは高2になってからでした。『あまちゃん』も都会と地方がキーワードでしたが、私も地元愛は強いですよ。幼なじみは家族同然だし、唯一ホッとできる場なので。13年12月に伊丹市の大使に任命されたので、張り切って務めていきたいと思います」
14年1月開始のドラマ「失恋ショコラティエ」(フジテレビ系)では、主演の松本潤の妹で三角関係に悩む女子大生を演じる。初の恋愛モノだ。
「女優って、すべてをさらけだす根性を持たないとできない。家族の問題や友達関係や恋愛も大事で、その瞬間は『大変だな』と思うことも、いつか自分の引き出しにたまる。だから、どんな経験も大事にしたいですね。いままでにない複雑な感情の女性なども演じたいし。素敵な役者さんは見ている人を引き込む力がある。自分もそうなれるように、鎧を一枚ずつ脱いで、さらけだせたらいいな」
自分を語る言葉を持った20歳である。
※週刊朝日 2014年1月3・10日号