「死ぬまでセックス」はファンタジー 専門医が断言 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「死ぬまでセックス」はファンタジー 専門医が断言

このエントリーをはてなブックマークに追加

宋美玄(ソン・ミヒョン)1976年生まれ。産婦人科医・性科学者で診療にもあたる。大阪大学卒。著書に『カリスマ女医の女子がもっとイケちゃうSexレッスン』(マガジンハウス)など(撮影/写真部・工藤隆太郎)

宋美玄(ソン・ミヒョン)
1976年生まれ。産婦人科医・性科学者で診療にもあたる。大阪大学卒。著書に『カリスマ女医の女子がもっとイケちゃうSexレッスン』(マガジンハウス)など(撮影/写真部・工藤隆太郎)

岡田弘(おかだ・ひろし)1954年生まれ。獨協医科大学越谷病院泌尿器科主任教授。神戸大学卒。射精障害など男性不妊症のパイオニア。著書に『男を維持する「精子力」』(ブックマン社) (撮影/写真部・工藤隆太郎)

岡田弘(おかだ・ひろし)
1954年生まれ。獨協医科大学越谷病院泌尿器科主任教授。神戸大学卒。射精障害など男性不妊症のパイオニア。著書に『男を維持する「精子力」』(ブックマン社) (撮影/写真部・工藤隆太郎)

「死ぬまでセックス」と謳うメディアにあおられる男性たち。熟年期で夫とのセックスを引退したいと願う女性たち。「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がベストセラーとなった産婦人科医、宋美玄(ソン・ミヒョン)氏と、男性不妊とED治療のスペシャリストである岡田弘・獨協医科大学教授が“熟年性”の真実を赤裸々に語った。

*  *  *
岡田:昨今、一部の週刊誌が「いくつになってもセックスしよう!」と盛んに謳っていますが、性科学を専門のひとつとする私たちの目には、とても馬鹿げたものとして映ります。実際、日本の熟年世代はそんなにセックスしていない。

宋:あれは願望でしょう。「1年で1千万円貯金!」と雑誌がいくらあおっても、誰もがその額を簡単に貯金できるなら、記事は見向きもされない。実際はセックスしていない人たちが憧れる世界が、そこには描かれているのですね。

岡田:つまりはファンタジーだ(笑い)。中高年になると、男性の多くは勃起不全、いわゆるEDの壁にぶつかります。ときどき勃起しない、あるいは射精まで勃起を維持できない「中等度ED」は50代に入ってから、まったく勃起しなくなる「完全ED」は50代半ばから急激に増えます。

宋:女性は40代後半から50歳過ぎにかけて閉経し、女性ホルモンの分泌がなくなります。まるっきり別の身体のように感じる人もいますよ。膣内の血管の数が減り、同時に細くなるので、セックスのとき濡れにくくなります。性交痛を訴える人も少なくありません。

岡田:セックスそのものが苦痛になるんですね。宋さんはセックスカウンセリングで、そうした女性の悩みに直接、耳を傾けていますが、そこでどんなアドバイスをするのですか?

宋:彼女たちの不満はだいたい共通していて、「産後で私がつらい思いをしているとき、夫はなにも手伝ってくれないどころか、身体を求めてきた」と言うんです。「ほんとうはしたくない」という思いを抱えながら、20~30年も夫のセックスに付き合ってきて、ついに閉経を迎えた。

岡田:夫たちは「そんな昔のこと……」と言うのでしょうね。

宋:そう。でも私は女性の味方だから、そこで夫に歩み寄れとは言いません。「ドクターストップがかかったから」と言って夫にセックス引退宣言をしなさい、と背中を押します。

岡田:妻たちはずっと機会をうかがっていたんだね。

宋:それでも引退宣言できずに、夫が早くEDになるのを祈っている妻たちもいます。「男性の性欲をなくす薬ないですか?」と聞かれることも……。残念ながら、そんなものはありませんよ。(笑い)


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい