便秘や下痢をはじめ、さまざまな効果が期待できると注目されているヨーグルトや乳酸菌飲料。東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎さんは、人それぞれ独自の乳酸菌を増やすことがポイントだという。

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 乳酸菌によって腸内細菌の「善玉菌」が少しでも増えれば、大勢の「日和見菌」が味方して心身ともに健康になり、老化も防いでくれる。

 ただ、血液や白血球の方との相性があったり、体質や生活環境によっても合うものが変わったりします。ベストなものは人それぞれ違うのです。大事なことは、自分がもともと腸に持っている「マイ乳酸菌」を増やすことです。

 無菌で生まれる赤ちゃんは、母乳や母親の手から菌をもらう。赤ちゃん自身も身近なものをなめたり手で触れたりして菌を体内に取り入れて、腸の免疫を高めていく。そうして組成された自分独自の腸内の乳酸菌をいかに増やすか。それこそが重要なのです。

 自分にぴったりの乳酸菌を探し出すには、朝から試すのがいちばん。相性がよくない乳酸菌は、いくら高価で質が良くても胃粘膜や腸粘膜のムチン層にくっついてくれません。

週刊朝日 2013年7月12日号