(※イメージ)
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 湿度が上がる6月は熱中症になりやすい。そこで重要なのが水分補給だ。水筒は種類や機能が豊富になり、「マイ水筒」を持つ人も増えてきた。しかし、実は注意が必要だ。選び方や使い方をうっかり間違えると、金属中毒などに見舞われる危険もあるのだ。

 金属中毒は恐ろしい。同じ金属製容器ということで、やかんを例にとって説明する。保育園で、アルミニウム製の古いやかんで乳酸菌飲料をつくり、それを飲んだ複数の園児が嘔吐した。保健所が調べたところ、飲み残しの乳酸菌飲料から、高濃度の銅が検出された。

 お茶などを沸かすのに使っていたやかんの一部が腐食して銅がたまり、酸性の乳酸菌飲料に溶け出したようだ。銅は酸に溶けやすい。

 つまり、「容器の劣化+酸性の飲み物」が不幸な化学反応を生みだしたのだ。これに対して大手メーカーは腐食しにくくする新技術などを開発した。それでも使い方によっては完全に防げるものではない。

 そもそも水筒は2006年前後からのエコブームの影響もあり、以前は持ち歩かなかった大人の世代にも浸透した。特にいまの時期は暑さ対策としての需要も高まることから、スーパーなどに水筒がずらりと並ぶ。保冷専用、スポーツ飲料タイプ、片手でふたが開く……など種類も機能も驚くほど増えた。全国魔法瓶工業組合によれば、ステンレスボトルを含む水筒は昨年、2千万本も売れたという。

 多様化したからこそ、「思わぬ事態」が起きないように正しい買い方、使い方を知っておきたい。

週刊朝日 2013年6月14日号