為末大 街を走るとその「国」が見える 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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為末大 街を走るとその「国」が見える

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為末大さんのジョギングシューズ(撮影/写真部・松永卓也)

為末大さんのジョギングシューズ(撮影/写真部・松永卓也)

 オリンピックに3大会連続出場した元プロ陸上選手の為末大さん。これまでさまざまな国を訪れた為末さんだが、その国を知るために今は旅をし、街を走っているという。

*  *  *
 今は、このシューズだけですが、現役時代は、競技用のスパイクやウエートトレーニングの用具など、走るための必需品で、トランクがいっぱいになっていました。現役を引退してから、初めて海外出張の荷造りをした時、ああ、もう1足だけでいいんだな、って思ったのをよく覚えています。

 現役時代のように、「走ることが義務」ではないのに、今でもやっぱり、旅先、出張先で、毎日走りますね。でも速く走る必要はないので、当時とはまったく違う、楽しむためのジョギングを一から始めた」そんな感じです。

 去年の夏、ロンドン・オリンピックに陸上の解説の仕事で行った時にも、ビッグベンを横目に走りました。知らないところを走るのは楽しいですよね。この道を曲がると何があるのか、この次のブロックには何があるのか、ちょっと不安なんだけれど、わくわくする。

 これから行ってみたいのは、現役時代に、試合で訪れた国々。僕は、パスポート上では、その国に入国したことになっていますけど、空港とホテルと競技場以外は何も知らないんです。場所と場所の間は、全部車移動で、走るのは、競技場の中だけ(笑い)。夜も試合の前だから早く寝ないといけなかったし、出かけることはまずありませんでした。

 最近、ふと思うんです。あの時、試合で行ったあの街は、本当はどんなところだったんだろう、と。自分の足で走りながら、実際に寄り道して初めてわかることが、いっぱいありますよね。どんな街並みで、どんな人が暮らしていて、ちょっとした建物にも歴史があって……。今まで知らなかったことを埋めていく旅をする、それが今の僕の夢です。

週刊朝日 2013年4月26日号


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